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ソマリー・マム著「幼い娼婦だった私へ」 [Book]

幼い娼婦だった私へ 前記事:AFESHIP ソマリー・マムさん

 1/28(月)ソマリー・マムさんは佐世保での講演で、「日本人の男性は皆少女を買うような怖い人だと思っていた」と言ってましたが、この本を読んで逆に、「カンボジアの人たちは平気で人身売買をする人、男性は隙あらばレイプも普通にする人達」だという印象になってしまいました。カンボジアは裏の「暗黒社会」と言われているものが表の社会になっていて、その中で少女たちは怯えながら生活しているように思えます。国全体が負の連鎖、異常です。少女たちは性的搾取から逃げるところがなく、救ってくれる唯一の存在がソマリーさんが運営するアフェシップとなる訳です。

 あり得ないことだけれども、カンボジアでは自分の娘でさえためらいなく売ってしまうし、姉が幼い妹をわずかな金で売ってしまう。「女性に生まれる=金になる」という単純な図式。世の中のすべての尺度は「金」であって、金を多く持つ人が上に立ち好きなように振る舞える社会。カンボジアでは家族とか愛情・良心というものは存在しない(と思う)ため、親元に置いて売春を強要するのではなく、わずかな金欲しさに人身売買してしまう。すべてにおいて「金」が優位。この「ないもの」を教えるのは、かなり不可能だと思うくらい貧しい国家です。金よりも大事なものがあるということに男性たちが気がつかないことには永遠にアナーキーなままだと思う。社会の中で正常な良心を持つ人がソマリーさん達アフェシップであって、その活動が困難というのは異常な人達がいかに多いかということ。一緒に立ち向かって協力してくれるはずの警察や裁判官でさえ、金で売春斡旋人の側にまわってしまう。法で統治するはずの人たちが欲望のままに動いているので、すでにカンボジアはすでに法治国家の体裁をなしていないように思うのですが、、、「チャーミングは小さな国」「微笑みの国」というのは国の表向き(表社会ではない)であって、正義を貫こうと声を上げれば殺されてしまう。生命の危険にさらされながらもソマリーさんが殺されないでいるのは、国際社会を敵にまわすことになるからだと本人も言ってました。

 カンボジアでは女性にすべての権利はなく、何をされても黙っていることを要求されてますが、日本もついこの前まで女性に権利はなかったような気がします。今のカンボジアから、どう人間としての権利が当り前のような社会に方向づけていくのか?出口のない迷宮のようです。一橋大学・津田塾大学・東京女子大講師の村瀬幸浩さんは、思春期までは性を「命と健康の問題」、思春期以降は「人権と共生の話」だと言ってました。カンボジアではその両方とも欠落しています。カンボジアの大人にとっては「性」は下半身以外の何物でもないようです。

 身内にレイプされ、7歳で知らぬ間に家族に売られ、暴行の上1日15人もの客をとらされ、処女がいいからと麻酔も消毒もないまま陰部を縫合され、動物以下の扱いで性の奴隷となり、最悪焼かれて炭になって路上の放置されないなら、最後はAIDSなどの病気になって放り出され若くして死んでいく。これが本を読んでのカンボジアでの少女の行く末です。自分の娘とカンボジアの子どもと何が違うのか?ただ生まれた場所が違うだけ。もしカンボジアに生まれていたらこうなっていた可能性も高い訳です。子どもには何も落ち度がなく、ただ現状の中で生きることを受け入れるしかないのですよね。日本では多い自殺をすることなく精一杯生きようとしています。できれば笑って大きくなってもらいたいと思うのです。

 じゃあ自分で何ができるのか?ソマリーさんの話を聴いて、何かアクションを!と思うのだけど現実的に難しい。現実できることは、子どもたちのために闘ってくれている(闘うという表現がぴったりです)ソマリーさんを支援すること。日本では「国際子ども権利センター」がアフェシップに資金提供をしています。ウチの家族3人(私・妻・娘)の3人の名前で少しばかりですが寄付しました。寄付したお金のすべてがアフェシップにいくのではないけれど、自分もアフェシップを支援している一人だと思うと、誇らしく毎日が少し違って見えます。今この時もソマリーさんは闘っているのです。一人でも多くの人にソマリーさんの活動を知ってもらうこと、それがカンボジア国外からの圧力となり、子どもを救う力となる訳です。
 
   国際子ども権利センター:JICRC
   http://jicrc.org/pc/index.html


幼い娼婦だった私へ

幼い娼婦だった私へ

  • 作者: ソマリー マム
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本

   
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コメント 3

rimi

先日はコメントありがとうございました。
急に閲覧できなくなり残念に思っていました。
また読めることができ、楽しみが増えました!

カンボジアの少女たちの現実に言葉を失います。
本当のことですか!と何度も聞きたくなるくらいです。
それがもしかしたらわたしだったかも、娘だったかも・・・。

知ってしまったからには、わたしもわたしのできることなにかしたいと思います。

またブックマークさせていただいてもよろしいでしょうか?

by rimi (2008-03-01 10:30) 

linoleum

rimiさん、どうもです。
見れなくなったのは、so-netブログ恒例のメンテ後の不調
というやつです。今回ばかりは絶不調で未だにおかしいので、
また突然見れなくなる可能性大です。

実は、ブログをやめてからもrimiさんを始め、当時読んでいたブログは
巡回していました。

この本を読むことから始めるのも1つの手だと思います。
ソマリさんの日本に来た目的の1つが、1人でも多くの日本の人に
現状を正しく知ってもらうことだったと思うからです。

ブックマークどうぞ。私は最初からrimiさんのブログをブックマーク
してしまってました。すんません。(^_^;;
 
 
by linoleum (2008-03-04 01:24) 

moと申します。はじめまして。

この本を読んで調べているうちに、ここのブログに出会いました。
今から3年以上前に読まれていたんですね。
私は「告発 現代の人身売買」を読んで、この問題に深く考えさせられ、
関連する本を読んでいます。
各国に同じような悲惨な状態があるのには驚愕です。有史以前からあったことですが、ここまで悪辣になったのは、やはり時代なのでしょうか。
貧困と無知、道徳心の欠如などが根本にあると思いますが、彼女・彼達の悲惨さに比べ、これを利用する側が何の良心の呵責も無いのが悔しいです。

linoleumさんのブログは多彩で面白いですね。本もたくさん読まれていて。
私はYahooブログを三年利用してきましたが、引越ししようかどうか悩んでいます。
So-netブログも良さそうですね。
他の記事も拝見させていだきます。
by moと申します。はじめまして。 (2012-11-09 11:21) 

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